平成22年度通常総会 組合長あいさつ

 平成22年度の通常総会の開催にあたり、ご挨拶を申し上げます。
 組合員多数のご出席を得て、ここに通常総会を開催できますことを心より感謝申し上げます。
また、公私ご多忙の折、沖縄総合事務局、沖縄県農林水産部を始め、農協中央会、
関係市町村各位のご臨席を賜り、衷心より厚くお礼を申しあげます。
 さて、わが国経済は、百年に一度と言われた世界的な金融危機を各国政府の協調した
景気対策により、徐々に緩やかな回復傾向に転じてきました。しかし実態経済の回復は
弱く厳しい状況にあります。国内の農業は、農畜産物の販売価格の低迷と生産資材価格
の高騰後やや高止まり、依然として農業経営は厳しく、高齢化や担い手不足による農業
就業人口の減少で伸び悩みの状況にあります。花き産業は、(社)日本花き卸売市場協会
(143社)の取扱高が、4,050億円で前年対比96.4%と前年に引き続き減少し厳しい状況
にあります。また、国内需要は、平成10年まで拡大を続けてきましたが、その後は、減少に
転じ10年間で1,500億円の減少となっています。それに対し輸入品は、毎年増え続け、
平成19年度の取扱高は566億円で国内需要額の11%のシェアーを占めています。国内産が
減る分、輸入品が増えた状況にあります。輸入品は、価格の安さ、量の安定性・確保のしやすさ、
品質の向上などで大手商社や量販店が参入しグローバル化が更に進み輸入品に頼らざるを
得ない状況で、共存を余儀なくされているのが現状です。
 国際競争に生き残る基本は、品質と量です。「品質は信用、量は力」です。輸入品と国内産の
差別化をする為には、高品質と選別を強化する必要があります。このグローバル化の中、また、
日持ち保証販売が唱えられている現在、産地として生き延びるためには、原点の「品質」に徹し
「信用」を守って行く事です。この基本を組合員一丸となって取組んで行かねばなりません。
 組合は、この国際競争に勝ち残るために各事業に取組んでまいりました。
 農林登録品種は、申請中も含め39品種になり、オリジナル品種の開発で太陽ブランドを
作り出し多様なニーズに対応できる基礎ができてきました。
 また、時代の変化と社会ニーズに答えるために花束加工場向けの花材やエコ商品のニーズ
が強くなってきている中で、昨年は、エコ規格の試験出荷を行い大きな手ごたえを感じ、今期は
更なるエコ規格の商品拡大を目指して推進し販路拡大に努めてまいります。
 白熱電球に対し電気料が約60%削減できる蛍光ランプを補助事業で18万坪導入する事がで
き、国が推進しているCO2、25%削減に協力できました。今後は、未導入面積の約76万坪の
導入を推進したいと考えています。
 自動選別結束機(花ロボ)は、労働力の緩和、選別作業時間の短縮及び生産性の向上、後継者の
確保にも寄与します。国際競争に打ち勝つために無くてはならない機械であり、補助事業
での導入が出来るように、要請活動を継続して行きます。
 これまで、台風被害を防ぐ平張防風防虫施設を27万坪整備してきました。今後も組合の目標
面積の40万坪まで導入を推進してまいります。また、業者と共同開発中の平張防風防虫施設の
防除作業の省力化を目指した、簡易式ラクチン防除機(仮称)を完成させ普及を図ります。
 現在の花の安値傾向、経費高の状況では、これまで以上に組合員の経営能力を高める事が
必要です。組合は、農家台帳システムを構築し、個々の組合員の実績や資材費等の経営データー
を集積し、経営状況を把握、分析し経営改善策を提案指導する事で、経営能力の向上を図り、
組合員の個々の強い経営を目指し所得の向上に役立てていきます。
 組合員の平均年齢が56歳と高齢化する中で、担い手の青年部の活動や、存在感も大きくなって
います。これからの活動に期待されます。
 平成22年全国輪菊リーダー研修会と、平成23年九州輪菊サミットが沖縄県で開催されます。
組合も大菊の責任産地として関係機関と連携して取り組んでまいります。 

 この様な状況の中、組合は、夏場の干ばつと冬場の多雨により品質と採花本数の低下で出荷
本数187,633本(前年対比93.8%)販売高、7,204,213千円(前年対比95.9%)と厳しい実績で
ありました。しかし、組合の生命線であり、消費者にとっては重要な物日である年末と彼岸に
ついては、予約注文を多く受け(年末:前年比105%、春の彼岸:130%)、供給する事が出来、
価格の安定に繋がりました。更に、色バランス調整に努めた結果、出荷期間を通して色バランスが
良くなり、昨年以上の売上げを達成する事ができました。これも一重に組合員皆様のご協力の
賜物であり、心からお礼申し上げます。
 結びとなりましたが、これまで当組合の推進する事業と併せ組合員の営農基盤強化に力強い
ご支援を賜りました行政機関の皆様に厚くお礼を申し上げますとともに、なお、続く厳しい時代へ
の対応を迅速に進めて行く上におきましても、皆様方のご支援、ご協力は不可欠であります。
何卒、今後尚一層のご高配を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。組合員をはじめ、
ご家族皆様方、並びにご臨席の皆様のご健勝、ご多幸を衷心よりご祈念申し上げ挨拶といたします。 

                                                             平成22年7月29日
                                      沖縄県花卉園芸農業協同組合
                                      代表理事組合長 外間 勝嘉

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